ブログを始めた時点で書こうと決めていたガッテン塗りについてのお話。
私のスキンケアは、クリームのみを使用するガッテン塗りを基本としています。
ガッテン塗り自体は過去のものになりつつあるのですが、化粧水不要論争は常にどこかで巻き起こっているようです。
大分前に書いていたのですがグリセリンフリーでそれどころではなくなり温存していた記事を化粧水不要論に絡めて話していこうと思います。
全3回に渡る感動巨編。
1回目はガッテン塗りとはなんぞや、番組の内容について詳しくお話しします。
ガッテン塗りとは
NHK「ためしてガッテン」2010年11月3日放送
「カサカサがプルプルに!素肌力劇的アップ秘技」
この回の内容に由来する美容法。
長くなるのでせっかちさんのために一言でいうと
「手入れしすぎるな、保湿クリーム塗っとけ」
ということなのですが、ネットでいろんな情報が混ざり合い、原型が分からなくなっている側面があります。
ネットを鵜呑みにせずに番組を見てほしいのですが、7年以上前の番組ですし、長くなっても説明したいと思います。
ガッテン塗りは知らないけど化粧水不要論を聞いて何を信じたらいいかわからないという方も是非ご覧ください。
せっかちさんと、番組を見た、概要はよく分かっている、でもBlogを読みに来たといういい人は続編をお待ちください。
概要飛ばす方はこちらへ
医学的にその言い回しはおかしい!みたいなことがあっても意味として通じていたり番組内容として間違ってなければ許してほしい。
番組の内容
女性の大半が水分不足、肌の乾燥に悩んでいます。しかしカサカサ肌はお金と手間隙をかけて自分でこしらえている!というのが今回の大テーマです。
水分を与えすぎるスキンケアの罠
美容マニアとして登場した40歳の女性
ケアをほとんどしていないという89歳の女性に肌の水分量等の数値で惨敗。
美容マニアさんは
・化粧水、乳液をごしごしすりこむ
・職場で加湿器
・蒸しタオル
・泥パック
・精製水でコットンパック
・美容液パックでそのまま寝る
というようなケアをしてました。
先生の判定ではこれらはすべて水分を奪う行為で×
化粧水については
・つけること自体はいいけど、つけすぎない
・つけるときにこすらない
・つけたらすぐにクリームなどで保湿
・精製水は意味なし
というようなコメント。
大原則として
水分は与えすぎると余計に水分量が減る
濡れた新聞紙が乾くと濡れる前より乾燥しているのを想像してください。
カサカサ肌にとって、水分を与えすぎるのは逆効果だったのです。
肌はちゃんと死んでいることが大事!
肌表面の細胞をとって調べてみると、美容マニアさんの細胞には「核」が見られました。生きている細胞です。一方で、水分量の多い89歳の方や、1歳の赤ちゃんの細胞には核がない=死んでいたのです。
死んでいる方が肌が潤ってる?いったい何故でしょう。
ターンオーバーという言葉をご存じない方はおそらくいないと思いますが、肌が死んでいた方がいいという言葉ではすぐにピンとはこないですよね。
細胞が皮膚の奥深いところで生まれる→表皮に向かって押し上げられる→角層→古いものから順に垢となって剥がれ落ちる
この生まれて死ぬまでのサイクルが肌のターンオーバーですね。
細胞は一番外側の肌、角層に到達すると正常であれば死にます。
核は死ぬときに「細胞間脂質」を放出(これに含まれるのがかの有名なセラミド)、ここで水分を逃がさないバリアを作っているのです。
これが水分量を保つのに最も大切なものになるわけです。
カサカサスパイラル
間違ったお手入れをして水分や脂質が失われてしまうと、肌は危険を察知してターンオーバーを急いでしまいます。
ターンオーバーを急ぐとどうなるか、細胞は生きたまま角層に到達してしまいます。細胞が死に細胞間脂質を放出するというサイクルが行われず、肌の持つバリア効果が機能しなくなってしまう。
さらには急造の角質層は構造が乱れて角層が厚くなり、くすみ、ごわごわなどの原因になると、余計に手入れをしたくなりますね。
バリアが作られない→さらに水分が減る→また過剰にお手入れをする→水分が減る→ターンオーバーが早くなる→バリアが作られない→水分が減る…
これがカサカサスパイラル!
この自前の保湿機能を正常にすることが何よりも重要な乾燥対策になるわけですね。
3週間で正常に!
例の美容マニアさんのように採取した細胞が死んでない人たちに、顔半分に1日2回保湿クリームを優しく塗り、顔半分は何もしないで3週間過ごしてもらいました。
結果、何もしなかった方は若干水分が減り、クリームを塗った方は水分量が3倍に増えました。細胞も死んだものが増えていました。
- 対策は秋にはじめよう
角層の保水力が一番落ちるのはやはり真冬ですが、ターンオーバーが2週間から1ヶ月だから冬にはじめても遅い、秋から保湿しましょうというお話。
あと加湿もしすぎないほうがいいとか、シミになるからこすらず泡洗顔しなさいとかもありますが割愛
- カサカサ肌改善のまとめ
- こすらない
- 1日に2回保湿する
- ときにはお手入れをお休みする
美容マニアさんが今までのお手入れを封印してクリームのみで13日間、短期間でしっかり改善されていました。
以上が番組の内容です。
ネット情報との相違点
番組では肌の仕組みを詳しく紹介していますが、肝心のスキンケアの方法については2点しか言っていません。
- 肌をこすらないこと
- 保湿クリームを1日2回塗ること
それだけです。
塗り方もタイミングもどんなクリームを塗るのかも言ってません。実験では敏感肌用保湿クリームを使用したとだけ言っていたくらいです。
噂と照らし合わせてみましょう。
ニベアの青缶を使う→×
ガッテン塗り=ニベアみたいに言われていることもありましたが、番組ではニベアを使うとは当然言っていません。
そもそもNHKがニベアって商品名を言うわけないのだから、そこは番組を見ていなくても気がついてほしい点です。
ただし事実無根の嘘というわけではなく、例の美容マニアさんが最後に使用していたのが商品名は見えませんがニベアの青缶に見えるクリームだったので、そういうことになったんだと思います。
さらにニベアとドゥラメールの成分が酷似してるというネット情報が混ざりあって広がっていったのかなあと。
これに関しては使ってみて合うならニベア使えばいいし、合わないなら使わなければいいだけだと思います。
私は使ったことないのでいいかどうかは不明。
化粧水を使わない→△
化粧水に関しては使用をすすめてはいないけれど、使うなとも言ってないですね。番組としてはクリームのみでええんやでっていう方針に見えましたが。
先程紹介したとおり、話の流れで先生はつけてもいいけどつけすぎないで、すぐ保湿してとは言っていました。
化粧水も美容液も、つけたほうが調子よければつければいいと思います。重要なのは保湿はしっかり、でも過剰にケアをしないこと。
洗顔後すぐにクリームを塗る→△
これも明言はされてないですけど、先生も化粧水つけたらすぐ保湿してと言っていたし、すぐ保湿したほうがいいというのは常識化しているところがありますよね。
私もすぐ派です!
時間が経つと乾いていくのが自分で分かりますもの。
洗顔後濡れたままクリームを塗る→×
これに関しては番組で全く触れていない部分なので、いいのか悪いのかは不明です。
おそらくは、タオルで顔を拭くと摩擦になるとか、水分が蒸発すると乾燥するから一秒でも早く保湿せよ!っていう風潮と、あとは、ニベアなどの固いクリームを化粧水なしの肌に塗ろうと思うと伸びが悪くて肌をこすっちゃうよね、顔洗ったあと拭かずにそのまま塗れば水分があるから塗りやすいよ!まじか本当だ~塗りやすい~ヽ(*´∀`*)ノみたいなところから生まれたんじゃないかなと想像してます。
何もしない日を作る→ほぼ○
スキンケアをお休みする日を作りなさいと書いてあるサイトもあります。
番組のまとめのひとつ「スキンケアをときにはお休みする」に由来することですね。
番組でのニュアンスとしては、美容マニアさんのようにいろんなスキンケアをしまくっている方でそのケアに自信が持てない、良くなっていない気がする、これでいいものかと感じているのであれば、一旦思いきってすべてやめてみなさい。そして保湿クリームだけのシンプルケアで過ごしてごらんなさい。結果、本当に必要なケアが何であったのかお考えなさい。そういうことだと思います。
こんなところでしょうか。
「ガッテン塗り」という言葉がそもそも番組発ではなくネットで生まれた言葉であるし、ネットで流行する美容法はみなそうだと思いますが、みんなであれこれ試した結果出来上がったもの、そしてまたそこから進化していくものなのですよね。
なのでネットは間違っている!おかしい!インターネットを信用するな!というわけではなく、ネット情報はそのまま鵜呑みにするべきではないということですね。
これだってどこの誰かわからないおばさんが書いているわけです。おばさんと言っているけど17歳かもしれないし、おじさんかもしれません。さらには7年経って美容の常識がかわっている可能性もあります。
いろんなものを見て、自分で確かめて、取捨選択することが大事です。
まとめ
番組の内容とネットの意見をまとめてみると
- ガッテン塗りとは基本保湿クリームのみのシンプルケア
- ターンオーバーを正常にして保水力を高めるのが目的の美容法
- 使うクリームは好きなやつでいい
- 化粧水を使うなとは言ってない
- 保水力が最も下がる冬に入る前にやれ!
- 顔をこするな!
- 自分のスキンケアに自信が持てなかったら一旦全てやめてみて何が本当に必要が見極めよ
といったかんじでしょうか。
概要はここまで。
次回、化粧水不要論の結論を書いていきたいとおもいまーす。