アイシャドウはいつまで薄くなり続けるのか。
世は繊細なセパレートまつげから、インパクトある束感まつげに移行しつつあるようですが、
アイシャドウは薄くなる一方。
留まることを知らない。
「抜け感」がトレンドとなり、締め色の発色が淡くなってきたときも、最初は戸惑った。
でも次第にアジャストしていって、締め色を最も愛する私のアイメイクも以前よりだいぶ薄くなったはずだ。
でも、許すべきではなかった。
締め色の薄さを安易に受け入れたばっかりに、この流れを変えることはできなかった。
ついには「締め色」が入ってないアイシャドウパレットが売られ始めてしまった。
西暦2021年。未曾有のパンデミックの影で、世界から「締め色」が消えようとしていることに、人類はまだ気づいてはいなかった―
— つむり (@makemendokusai) 2021年9月6日
いったいどうしろというのだ。
無論、「流行」がひとところに留まるはずはない。
川の流れは止めれられないし、止まってはいけない。
締め色の淡さや、ブラウンのアイライン、並行眉などを次々受け入れてきたように、ほとんどベージュみたいなアイシャドウに慣れ親しんでいきたい気持ちもある。
新しい扉を開けるのはいつだって楽しいのだから。
ただ、なんだかつまらない。
それも否定はできない。
そんでとち狂って買ったのがこれです。
いったいどうしろというのだ。
逆に。
そんなわけで、今回は中華コスメの花西子のアイシャドウパレットをレビューします。
この記事は花を以って、美を育つ「花西子」様の提供でお送りいたします。
花西子 Florasis 百鳥朝鳳 アイシャドウパレット 01
ゴールドブラウン 6700円(税込)
心に響く繊細な彫刻 羽ばたく鳳凰のように、きらめく
まず花西子は「フローラシス」と読むみたいです。
もちろん私は「はなにしこ」で変換していますが、「はなにしこ」じゃないです。
「Florasis」です。
中国のコスメっていうと、コスメの色も、パッケージも、過剰なくらい豪華!っていうイメージがあったんですけど、そのイメージそのまんま花西子でしたね。
凄い。
美しいし、とにかく凄い。
私ごときでは絶対に使いこなせない。
レベル1で竜王の城に乗り込むようなもの。
その中から、目を奪われるような鮮やかさ、豪華さを持ちつつ、ギリ使いこなせないこともなさそうなものを選んで買ったのがこれです。
開封の儀
では開封していきましょう。
「百鳥朝凰」の読み方は「ひゃくちょうちょうおう」でいいのかな。
パッケージには「Floral Engraving Phoenix Makeup Palette」って書いてある。
外箱が既に綺麗。
こういう紙物ってテンション上がっちゃう。
そういえば、公式ストアで買ったらブラシがついてきました。
撮影ついでにGoogleレンズしてみた結果、
なるほど?
ほうほう。
中身を取り出すと、パレットはそこまでゴテゴテしてないですね。
ただ、透明感とキラキラが美しいです。
で、開けたらこれ。
これ何?
化粧品ですか?
観賞用?
彫刻のように美しいとは聞いてますけど、度を越えていませんか。
これ使わせる気があるんでしょうか。
捕食されないように派手な色してる生き物みたいに思えてきた。
だってアイシャドウが立体になってることあります?
立体”的”じゃないよ。
立体だよ。
これ触っていいやつ?
大丈夫なやつ?
【急募】これに触る勇気 pic.twitter.com/Dj2ZJi036E
— つむり (@makemendokusai) 2024年2月9日
彫刻が欠けようものなら、因習村の老人が出てきて
「おまえさん、その紅を壊してしまったのか!」
「なんてことをしてくれたんじゃ…」
とか言わない?
もしくは、幻獣みたいなのが出てきて
「我が眠りを解いたのはそなたか」
とかいって、急に世界の命運を背負わされたりしない?
変身させられない?
まあ前者はともかく、後者は私が少女なら心配すべき点ですが、昭和生まれは余計な心配せずに塗りましょう。
あ~触りたくない。
このまま引き出しにしまっておいて、たまに取り出して眺めてまたしまっておきたい…
スウォッチの儀
と言ってても仕方ないので、頑張ってスウォッチしていきましょう。
カラーは全部で9色。
アイシャドウパレットですが、中央はチークに、その左右はハイライトになりそうですね。
そういった使い方の指南が書いてあるかなと思って裏面を見たら、
鳥の名前が書いてありました。
うれしい。
01~03
ではまず、左側の3色から。
一番左は名前の通りのピーコックグリーンに青いラメが入ってます。
そのお隣はシマーなカッパーオレンジ。
そしてマットなイエローベージュ。
質感も発色も三者三様。
最初のグリーンは見た目ほど強い発色ではありませんでした(三度くらい重ねてます)
逆にカッパーはひと塗りでこれ。
プレスの固さも全然違うので、グリーンと同じ力でカッパー取ろうとしたらめっちゃ柔らかくてボロっと崩れて慌てました。
購入を検討されている方は、この点ご留意ください。
04~06
続いて中央の3色です。
中央に鎮座するのはフェニックス。
中央の赤も、想像の何倍も薄づきでした(重ね塗りしてます)
塗る前はこんなんチークにしたらコントになっちゃわない?って思ってたけど、ナチュラルにチークにできそうなマットな赤でした。
ハイライトっぽいの、左はベージュでシマー。
右は白っぽいゴールドでラメがキラキラ。
シマーはシマーで、キラキラはキラキラでどちらも良い。
色だけじゃなくて質感もそれぞれ違うの面白いです。
07~09
そして最後、右側の3色。
土色三兄弟。
マットなキャメルに、ほんのりパール感のあるテラコッタレッド。
締め色になりそうなマットブラウンもわりと柔らかい発色でした。
こうして並べると圧巻のカラフルさ。
これは鳳凰。
むしろラーミア。
パレット上で強烈に見えた色ほど発色が控えめで、それぞれの色は想像よりはるかに使いやすそうでした。
使いこなせるかはまた別だけど、メイクに取り入れてみたいと思います。
百鳥朝鳳アイシャドウパレットはこれ以外にも2パターンあって、ひとつはこれよりもカラフル、もうひとつは全部ブラウンと、どちらも個性的。
是非みなさまも手に取って、彫刻に触りたくない気持ちを味わってみてください!
花西子 Florasis 夕影マルチパレット
遊牧限定 8580円(税込)
季節の高揚感を目元、頬元に
そしてもう一点。
こちらは花西子様よりご提供いただきました。
最近発売された限定シリーズの中から、こちらもアイシャドウパレットです。
伝統的な無形文化遺産を継承するレザークラフト
また手の込んだ紙箱を開封していきますよ。
なんか表面変わった質感だなと思ったら、ビニールかぶってました。
ビニール取ったら、
革????????
立体的なアイシャドウも見たことないけど、革製のコスメも見たことないよ…
なんで百鳥朝鳳よりこっちの方が高いんだろと思ったら、革だからか。
世の中にはいろんな商品があるものだ…
そしてパレットを開きますと…
はい、かわいい!!!
これはもうさ、色の好みで私をフォローしてくださってる方々にとっては、心臓を取り出して揺さぶられるくらいのときめきがある配色ではないでしょうか。
私は完全にひとめぼれしました。
大地を駆け抜ける風を感じていく
こちらもまた見事な浮彫なんですけど、遊牧民族の四大元素(空、雲、草原、川)と馬の模様を表現しているそう。
これもあんまり触りたくないけど、頑張ります。
左側
まずは左側の3色。
どうしても自分が好きそうなもの選んだからしょうがないけど、百鳥朝鳳と同じ色多いかな?ってちょっと思ったんですが、同じようで全部違いました。
一番左のカッパーオレンジ系はラメだし、さっきと似たようなグリーンも全然違ってて、カラーはモスグリーンっぽいくすみ系で青と黄色のラメがザクザク。
上のベージュも若干くすみのあるマットです。
グリーンは色自体はそんなにつかなくて、ラメの存在感の方が大きい。
中央+右側
そして中央~右側の4色。
中央のバーミリオンは、チークでもアイシャドウでも良さげ。
マットなマスタードイエローに、わりと焦げ強めのこげ茶。
で、ハイライトがまたすごい。
さっきの2種類ともまた違うのよ。
この美しさ伝わるかなぁ。
カラーはシャンパンゴールドっぽくて、質感はさっきのラメとシマーの間で「パール」って感じ。
なんというか、「強い」。
頬などに使うハイライターとしては、これが一番向いてそう。
ハイライトいろいろ探してみようと思ってたところだから、今度これ使ってみよう。
こちらは非常にバランスよくまとまったパレットでした。
アイメイク、チーク、ハイライトとこれで仕上げたら、いい感じに統一感が出そうです。
遊牧シリーズはこれ以外にも、チークやリップ、そして限定キットもあります。
よかったらチェックしてみてください。
しかしこんなにも触りたくないコスメは初めてでした。
生きてるといろんなことがあるね。
皆様も是非一度手に取って、その美に圧倒されてみてください!
ではまた!